立憲民主党新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する課題検討プロジェクトチーム(ワクチンPT)は12日、厚生労働省を訪れ、新型コロナウイルス感染症予防ワクチンに関する速やかな情報公開を求める申し入れを行いました。

 申し入れには、同PT座長の中島克仁衆院議員、顧問の阿部知子衆院議員、副座長の吉田統彦衆院議員、事務局次長の木戸口英司参院議員が参加しました。

 米製薬大手ファイザー社が開発したワクチンが同日午前、成田空港に到着。厚労省は同日夕、これまで独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)で進めてきた安全性等に関する評価のとりまとめをもとに、薬事・食品衛生審議会(薬食審)で承認の可否について審査する見通しです。今後承認された場合、来週17日にも医療従事者に対するワクチンの先行接種を始めるとも言われるなか、ワクチンの安全性や有効性、接種した場合のリスクとベネフィットなど、個人が接種の判断をするにあたっての情報を迅速・的確に届ける必要があります。

 申し入れでは、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議も踏まえ、(1)PMDAの審査報告書について、ワクチン接種開始前に速やかに公開すること(2)ワクチン承認の可否が判断される薬食審の審議内容、議事録、提出資料についても迅速に公開すること――の2点を求めるものです。

 申し入れに対し厚労省の山本大臣官房審議官は、PMDAの審査報告書については、医療従事者へのワクチン接種前の公開、通常約3週間程度要する会議の議事録についても、企業情報などは精査した上で有効性や安全性に関わるものはできるだけ早く順次公開していく旨応じました。

 中島議員は、「今回のワクチンは、期待も高い一方で、初めての遺伝子ワクチンの大規模接種ということで国民、社会の不安、懸念も強い。この問題意識や、安全性、有効性の情報を、国民、社会と共有することは大前提」だと強調。昨年の予防接種法改正のときの審議の際に与野党合意したものだとした上で、「(スケジュールが)かなり前倒しになっていることから、わが国での評価が示されないことがあってはならないとあらためて申し上げた」と趣旨を説明しました。阿部議員は、「特に皆さん、副反応を気にされているので、必要な情報提供と、リスクについての理解、コミュニケーションをとった上での接種であるべき。あまりにも前のめりになっているので、もう少し慎重に、確実に当たり前のプロセスを踏んでほしいと申し入れた。その点は了解していただき、今日の成果」だと述べました。

米ファイザーの新型コロナウイルス感染症予防ワクチンの情報公開に関する申し入れ(2021年2月12日).pdf

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